MATA / M.I.A. 10年ぶりに現れたなぜ | ジャミラ!  

MATA / M.I.A. 10年ぶりに現れたなぜ

 

化石状態のアメブロにおよそ10年ぶりにそしてオモムロに投稿する理由ったら私の魂のルフランことマヤさんたらないよね。

日本語でこのアルバムをレビューされているのがあまり見かけられなかったのでこれはおよそ20年間追いかけ回し続けているジャミラが一筆フルうっきゃねえ。

 

10年の月日を経てブログが進化しすぎてもはやどう編集したらよいのかすらわからない浦島おじさんだけどいっくよー!

 

なんてったってねえ、「もう音楽はこれでおしまい、最後のアルバムよばいちゃ」と2016年リリースのアルバムAIMでさよなら引退宣言してからこの時までどれだけ待ち望んだことかという思い入れの強さがまず前提としてございます。わたし待つわいつまでも待つわってあみんが待ち始めてからちょうど今年で40年、流石にそこまでは待っていないけれどそれでも6年待ったわ。

 

そんな世界中の音楽ふぁんが待ち侘びたマヤさんのアルバムレビューに取り組む前に、重要なキーポイントをおさらいしておきましょう。

 

MATA WOTA(ヲタ)の掟

 

掟其の壱 マヤとバーチャルおしゃべり

ロックダウン中に私ジャミラ、縁あってマヤさんのライブストリーミング最中お喋り相手としてピックアップされ、約20分間にわたって生の会話をしました。筋トレを終えて汗だく状態でみすぼらしいけどこの千載一隅のチャンス逃すわけにいかねえ!

ずーっとね夢を抱いていたわけですよ、いつか会ったらすごい深い話するんだ、音楽的な質問とかしちゃうんだ。

そうは問屋が卸してくださいませんでした。キンチョーのあまりジャミラの口から出たのは「お母さんはお元気ですか?」知り合いでもないのに。「スキンケアは水だけって本当ですか?」   時よ止まれええええ!!!巻きもどれええええ!!!

 

掟其の弍 Antivaxer(反ワクチン)なの?

アルバム発売の二日前に、とてもマヤさんらしいと言えばらしいんだが普通のアーティストなら売り上げに影響が出るからまず触れない話題、ワクチンについてツイートし炎上。アンティヴァクサーのレッテルを貼られて世間からはこいつ終わってんナみたいに叩かれてました。ここ数年のキャンセルカルチャーったらどうしようもない。自身が過去にワクチンで酷い副作用を体験したこと、驚くほど短期間で巨大なコーポレーションが開発したキチンと検証もされていないものを体内に打ちたくないというのが真意で、ワクチンを打った人を決して責め立てるようなスタンスではありゃせん。自分は3発打ち終わってま寿司、必ずしもマヤさんの言うこと全てに同意するわけではないですが、大切なのは「あーこいつはもうダメだ」とシャットダウンするのではなく、対話するヘッドスペースを持つことなのです。

 

掟其の参 俺たちズッ友?

COVID以降ヴァイナル(アナログレコードね)収集という新たな趣味が開花、それをひたすら羅列して悦に入るというインスタアカウントを設けているのですが、マヤさんに関する投稿を続けていた先週、ご本人からフォローされわたしイッたわ。彼女のアカウント、フォロワー100万人いるんですがフォローしているのはわずか630人(しっかりチェック)、そのうちのひとりに仲間入りしちゃったるんたった。これわもう今度こそ「おかん元気してるー?」てタメ口で聞けるズッ友公認ということでいいよね?

 

         

 

前置きがかなり長くなりましたが10年ぶりだから許してよ。さあ行きます個人的レビューTrack by Track。

 

1. F.I.A.S.O.M. pt. 1

仰々しいノイズ、お決まりのガンサウンドに始まり、それと対照的に子供たちのChoirで静かに終わる。MATA ERA(時代)の幕開けお前ら待たせたなそーら行くぞーという奮い立たせ感満載。

 

2. F.I.A.S.O.M. pt.2

Freedom Is A State Of Mindの略、State of Mindとは「あたいの今のムード、ヴァイブ」といった意味合いなのですがFIASOMはフィアサム(Fearsome 恐ろしい)とも読めちゃう相変わらず言葉遊びの巧みなマヤさん。同じくタミル人でスイスを拠点に活躍する新進気鋭のアーティスト、Priya RaguがFreedome is a state of miiiiiiindとシャウトしています。プリヤラグーとも一度お話する機会があったのですが、とても謙虚で美しいお方だたわよ。

 

3. 100% Sustainable

コンセプトがビョークのMedullaアルバムを彷彿とさせる、人間の声と手拍子だけで構成されたシンプルな曲。タミルの遊び歌に被せて気だるくラップするマヤさん。

 

4. Beep

サードシングルとしてリリースされた曲。You can be who you wanna be と連呼しているのはこれまた新進気鋭モントリオールから飛び出たムスリムシンガーMustafa。(彼はブレ子(ジェイムスブレイク)ともコラボしてて素敵なので聴くがよし)

トラックはRex Kudo(工藤さん。その名のとおりハーフジャパニーズのプロデューサー)、スクリレックスパイセンとリックルービンプロデュース。爆音で流しましょう。

 

 

5. Energy Freq

タミルビートがそれとなくBirdfluを思い出させる一曲。

 

6. The One

ファーストシングルとして5月ぐらいにリリースされてから聴き続けてますわたし。数年前からインスタでクリップをチラ見させてたその全貌がようやく明らかにされてああうれし。ジーザスのビジョンを見てクリスチャンとしてのアイデンティティを再発見した己の体験がリリックに散りばめられていますがなんてったってキャッチー。

 

 

7. Zoo Girl

こちらもデモバージョンがYouTubeにアップされていてずーっと聞いてました忍耐強く待ちながら。オフィシャルバージョンはテンポが速くよりバンガー色の濃くなっています。今んところこのアルバムで二番目にSUKI。

 

8. Time Traveller

鬼才ファレルがプロデュース。ファレルの楽曲は個人的に当たり外れがあるんだけどもこちらは当たりのガリガリ君もう一本★

シンプルなベースに囁き気味のマヤさんのラップがMAYA収録曲LOVALOTぽくて聴けば聴くほど味わいが増します。

 

9. Popular

セカンドシングル。何も知らない方が歌詞だけをきくとなんじゃこの自分大好きなやつは・・・と誤解を招きそうなのですがミュージックビデオをご覧ください。ソーシャルメディア、AIに翻弄される現代人をサーキャスティックに揶揄しています。

マヤさん風レゲトン。

 

 

10. Puththi

タミル語でどうやら「知恵」を意味するらしいこのトラックは、またしても新進気鋭(他に表現方法ないのおじさんたら)のたみる人アーティストNavz-47をフィーチャー。地味に嬉しいのがマヤさんもおそらく初めてタミル語で歌唱しているトーコーロー♪

 

11. K.T.P. (Keep The Peace)

個人的フェイバリット。いっちゃん好き。Yeah Yeah Yeahsの名曲Mapsのギターリフをサンプリングしたこの曲。なんだかこのメロディとリリックを聴いて涙ちょちょ切れそうになりました。「Cause you're fighting in a place that's already won / I'm not gonna ask you where you got your gun /  You're hiding in a place that's already found / Hope you'll realize this fakeness don't count」という部分がパレスチナ、ウイグル、タミル、クルドとかの弾圧されている人々に対するエールと解釈しちゃったんだもの。

 

12. MATA LIFE

シンプルなトラックにEffortlessなラップをのっけて波に乗るようなスタイルはさすが20年選手。

 

13. Marigold

Lil Uzi Vertがバックボーカルとしてフィーチャー。アルバムのシメとしてピッタリな絶望の中に希望を見出すような曲です。

 

 

ともかくお聴きなさい。