ウィフィの飛び交う国に狂喜そして乱舞 どうなった俺の荷物 | ジャミラ!  

ウィフィの飛び交う国に狂喜そして乱舞 どうなった俺の荷物

「明日は8時に出発しよう」とダニエルに言われた典型的日本人は、まさにオンタイムに起床し、オンタイムにあのー、おはよう、8時だね。と申し訳なさそうにダニエルを起こした。何から何まですみません。

いつもなら部屋に着いた途端バックパックをこれでもかというほどに開けっぴろげるのだが、今彼はいない。今、彼は、ここには、いない。

30秒で荷造り完了し、出発。

乗り合いタクシー、そしてタクシーを経てバスターミナルへ。


Jollibeeがこっち見てる。
$ジャミラ!  

このラリった赤いうさぎとの出逢いは初海外で訪れたサイパンにさかのぼる。それ以来影をひそめていたが、いた。フィリピンにいた。うじゃうじゃいた。多分1kmごとにいた。

ハンバーガーセットが1ドル以下。みんなジョリビーの虜だよ。

「Dalahikanてとこまでこのバスに乗ってってね。そんでそこからフェリーに乗ればMarinduqueだから。」おうけいわかったありがとう!これ以上ダニエルに付き合ってもらうのは申し訳ないの極みなので、もう大丈夫だから、赤子の元へ戻ってやってよ。本当にありがとうね!と別れ、バスに乗り込む。

ウィ、ウィフィー飛んでる・・・

公共バスの車内でウィフィー飛んでる・・・

嬉しさのあまり顔をほころばせiphoneを取り出す。つ。トゥナガッター!

間もなくバスは出発し、一路ダラヒカンへ。途中からスコールが降り始め、車窓からの景色も見飽きたので、文明機器を駆使し、skypeで某ジェットスターに再度メールと電話で問い合わせる。

なかなかつながらない上に保留中ずっと宣伝を聞かされるこの歯がゆさ。ようやくつながり、かくかくしかじかで私の荷物がまだ成田にあるらしいから、もう今更マニラに送られても困るので保管しておいてください。

「さようでございましたか。確認いたしますので少々お待ちくださいませ」

ジェットスターのスタータープライスなら、よりお得に航空券を・・・・宣伝やかましわ!

待つこと軽く十分。

「お待たせいたしました。そうですね、昨夜もお問い合わせいただいているようですが、こちらではそういった情報が届いていないので、どうすることもできかねます。」で、成田空港に問い合わせろとそちらに言われて成田空港に電話したら航空会社に問い合わせろって言われたんですね。たらい、回されてる状態なんですね。

「こちらは予約のセクションですので、お手荷物につきましては回答いたしかねます。」それじゃあ手荷物担当の方につないでいただけますか?「できかねます。お手荷物に関しては全てメールでの受付となっておりますので。」あのでも緊急なんですこのまま放っておくと明日のマニラ便に勝手にのせられてしまうんです。もうマニラにはいないのでもし荷物が送られでもしたらどうなるか分かったもんじゃないんです。

「しかしながら私の方ではここまでしか回答できません。」分かりました。じゃあせめてその手荷物担当の方にあなたから伝えておいていただけますか?それぐらいはしていただけますよね?「いえ、私どもは予約のセクションですので・・・」

は?

予約のセクションだろうが、「こっちに電話で問い合わせがあって、緊急らしいので対応お願いします」と伝言することぐらい20秒もありゃできるだろうが。んなろ!

自身もこういった電話問い合わせを受け付ける業務も行っているので、どう出れば響くか熟知している、つもりだ。ここで怒りにまかせてギャンギャンわめくと、相手はくそめんどくせえなこいつ、と手助けをする気力を一気に削がれるのだ。

なので、

ジェットスターさんはよく利用させてもらってるんです。こんなことで嫌な思いをしたくないので、伝えていただけますか?と下手に出る。

「少々お待ち下さいませ。私の回答できる範囲を超えておりますので、確認いたします。」

このマニュアル女が。と思いつつ待つ。ジェットスターは、国内線もおトク、成田から那覇まで・・・だまれ宣伝。

軽く20分。


20分も待たされたこと、ないよ僕。


「大変お待たせいたしました。先ほど担当部署にお伝えしましたので、後ほど担当よりお電話させていただきます。」できるんやんけ!最初っからやっとけい。とは言わず、分かりました。ありがとう。と切る。


煮え切らないやり取りであったが、少し前進。


疲れて眠る。

4時間ほどでダラヒカンの港に到着。入港料を支払い、目的地マリンドゥケ行きの切符を買う。フライドチキンを屋台で手に入れ、かぶりついたりしていると乗船時刻になり、ボートへ。

ウィ、ウィフィー飛んではる・・・

海の上でウィフィー飛んではるよ・・・!

日本よりもはるかに進んだこのWiFi事情。フィリピンを愛し始めている自分。

まだ疲れが残っていたらしく、冷房のゴンゴンに効いた船内で仮眠。
ここでもまたスコールに降られ、きれいな青い海、らしきものは見られなかったが、降り止んだ頃甲板へ出ると、丁度陽の沈んでゆくところで、空が赤く染まり、潮風が肌に心地よく吹いてきた。

ipodをききながら一人で歌っていると、3時間程でマリンドゥケに到着した。辺りは既に暗い。ジョエルが迎えにきてくれている筈だが・・・見当たらない。

おまけにiphoneの充電が切れて電話がかけられない。切符売り場のおっちゃんに、コンセントを借りて電源をつけ、かけようとするがなかなか入らない。んもーモドッカシイ!

「ジャミラー!」あジョエルだ。

いとも簡単に見つかった。約一年ぶりの再会。車に乗せてもらい、ジョエル宅へ。ここまでの経緯、ダニエルに申し訳なかった件、荷物がなくとても身軽な件などを端的に話す。

邸宅に到着。え。

邸宅じゃないかこれ。フィリピン、ここマリンドゥケではブルジョワのポジションにいるらしいジョエル。おばあちゃん達に出迎えられ、シャワーを借り、やっぱり着替えがないので同じ服をまた着て、晩御飯をいただく。

アドボやー!ジョエルが来日時に作ってくれたフィリピン料理、アドボ。チキンを酢やらにんにくやら醤油やらジンジャーで煮たもので、その美味さに自分でも作ってみたらしょっぱくて食べられたもんじゃなかった一品。

一人部屋を供され、まだ21時前だったがジョエルも経営しているレストランあがりで、僕も移動の疲れがどっぷり残っていたので、早々に就寝。



リンリン



電話鳴る。もしもし「ジャミラ様のお電話でしょうか。ジェットスターのなんたらと申します。」あ、はいなんたらさん。「この度はお手荷物遅延でご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。また確認に時間を要しお待たせしてしまいました。」あはい。

「ジャミラ様のお手荷物はやはり成田空港にございまして、メールでもお問い合わせいただきました通り、もう不要とのことですので、こちらで保管をさせていただきます。」あそうですか。よかった。安心しました。ご苦労様ありがとうございます。「あ、ありがとうございます!本当にご迷惑をおかけしました。」はいどうも。




バックパックの生息を確認。



ならばよかろう。ただ一つ、ジョエルの大好きな「メルティーキッス」をお土産に渡せなかったことだけが悔やまれるけれど。来日時、メルティーキッスの美味さにとろけていたジョエルに伝えると「えーまじで!あー残念」と心から残念がっていたので、あとで郵送してあげようかとも思ったが、きっと運搬中にメルトしてどろどろになるのでやめた。